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FIGHT ORDER

対戦カード紹介

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eban vs. hash

〝New Generation〟
この二人が所属していたチームの名前だ。最近ペン回しを始めた方々はピンとこないかもしれないが、確かに彼らは当時のNew Generationだったのだ。初期のJapEnを憧れの眼差しで見ていた世代だ。いつかこのヒーロー達と共演したい。それが少年達の夢だった。しかし、いざ自分達がJapEnに出演できるレベルになった頃、あのヒーロー達はもういなくなっていた。事実、ayatoriもSaizenもkey3もいないJapEn。誰がどんなに最高の作品を作ったとしても、風格を保つのは容易ではなかった。そんな中、JapEnを在るべき高みへと押し上げていったのが、「93年世代」と呼ばれるNew Generation、すなわち新世代のヒーロー達だった。slofis、HAL、モナチョ、mind、Beige他、挙げたらキリが無いほど、多くの93スピナー達がJapEn舞台で躍動した。そして、hashとeban。この2人も93世代であり、hashはJapEn8thで、ebanはJapEn9thで大トリを飾っている。2人がラストを担ってから約10年。2人の少年が誰かのヒーローになってから約10年。その間、数多の次世代スピナー達が台頭してきた。新たな技術も生まれ続けた。それでも、10年間変わらなかったのは、2人がシーンの先頭に立っているということだ。その理由が、きっとこの戦いの中にある。SPECIAL MATCH〝THE LAST PLAYERS〟eban vs hashこれは奇跡ではない、ヒーロー達の軌跡である。

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tetora vs. 肄'teza

2006年。後にJapEnに7回出演を果たし、プロデューサーとしてもシーンを牽引することになる男がペン回しを始めた年だ。そしてそれは、後に〝06世代〟の旗手として、旋風を巻き起こす男が生まれた年でもある。17年後の2023年、まるで巡り合わせのように、彼らは決勝の舞台で相まみえる。この数年、肄'tezaは活動休止状態にあった。常に結果を出し続ける実力者でありながら、過去にはJapEnシリーズの指揮や、日本ペン回し連盟での普及活動もこなしてきた。その功績は計り知れないものがある。プレイヤーとプロデューサー。2つの顔をもつ彼が、復帰の場所として選んだのは全日本選手権への挑戦だった。熟練の基礎力をベースに、自由な構成で見る者を楽しませる。そんな肄'tezaスタイルは健在だ。撮り下ろし動画での予選突破は流石の一言。決勝でも実力を発揮し、完全復活を体現したい。かつて期待のホープとされていたtetoraも今ではJapEnスピナーだ。U-18のJAPANCUPでは優勝2回、準優勝1回。06杯でも優勝を果たしており、この世代では間違いなく最強格と言える。この数年で難易度特化のスタイルから、小技でも魅せられるオールマイティなスタイルへと進化。若さゆえ天才児のような扱いを受けることがあっても、決しておごらず、叩き上げの精神でハードルを乗り越えてきた。前回大会、U-18勢としてはNanafushiのベスト8が最高位だった。「U-18での全日本優勝」の偉業を最初に成し遂げるのはtetoraなのか。このカードが今実現するということ。それはペン回しというカルチャーが長年に渡って歴史を紡ぎ、その灯火を守り抜いてきたことの証左である。もし肄'tezaのような先導者がいなかったら、tetoraのようなニュースターは生まれなかったかもしれないのだ。未来を切り開いてきた男と、未来を担う男の果たし合い。そこには互いへのリスペクトと感謝が詰まっている。ペン回しと出会ってくれて、出会わせてくれて、戻ってきてくれて、ありがとう。万感の思いを込めて、至高の戦いを見届けよう。

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Memory vs. Laku

7月現在Youtubeに上げている動画はたったの5本。新進気鋭のインフィニスト、Memoryがそのベールを脱ぐ。今年に入ってSpinFest出演、JEPRで8位入賞と勢いに乗っており、予選でも堂々の4位通過。スタイルこそ直感的にはfukrouに似ているが、指使いからはmindへのリスペクトも感じられる。はたまた技法を文字に起こして理解しようとする姿勢はBeigeの影響かもしれない。そう考えると、Memoryの手には歴戦のインフィニスト達の英知や情熱が宿っているようだ。ノーマークからの下剋上を狙う。そうはさせまいと、2年連続決勝大会進出のLakuが迎え撃つ。かつては1p2hのイメージが強かったが、近年は2p2hにも着手。ベテランながら、柔軟な発想で可能性を広げ続けている。片手単位で見ても新規性が織り込まれており、ポストLakuがなかなか現れないのは、こうした着実なアップデートの証明でもある。かつてのNPF王者、昨年のリベンジを果たせるのか。決勝にtetora、uuNが進出していることからも分かる通り、高校生達の活躍が目覚ましい。そんな中でMemoryはペン回しを始めたのが高校2年生と少し遅めのスタートだ。しかし、歴の浅いうちから積極的に活動し、PSOにも出場。一見超新星のようだが、その裏では地道な努力があったに違いない。Lakuの同世代の中には最前線で戦うことを諦めてしまった者達がいる。趣味だから仕方がない。仕事や家庭もここから離れる理由になってしまうだろう。そんな中でも、Lakuは日本一になることを諦めていないのだ。何歳になろうとも、彼の手には少年のようなキラキラした冒険心が握られている。集大成を体現する若武者と、未来を紡ぐ古豪。戦いの先で刻まれるのは、ペン回しを始めるも、挑戦するのも、遅い事なんてないということだ。2023年の夏。今ここで〝Never too late〟を証明しよう。

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TUv4 vs. 『Beat Red』

まさか今年もこんなカードになるとは・・・。全日本選手権の〝異種格闘技請負人〟ことTUv4見参。昨年はベスト8で神奈川が誇るオールドスクーラーarysと対戦し、見事勝利を収めた。その後、Menowa*を破る大健闘で3位入賞。誰にも代わりなんて出来ようもない、唯一無二っぷりを見せつけた。近年は両手技をも習得し、3次元的な魅せ方を確立させている。昨年は世界大会でも準優勝。世界標準の最新スキルを武器に虎視眈々と頂点を狙う。そしてなんとTUv4の初戦の相手は2年連続でオールドスクーラー、それも真打ち登場。『Beat Red』だ。JAPAN CUP2019クラシック部門ではayaNo、Raiらを抑えての予選1位。JapEn17thに出演。令和の時代、このスタイルでJapEnに出演するということは並大抵のことではない。環境から技の細部までこだわり抜いたシブいスタイルで存在感を放ち続けている。ペンやカメラへの造詣も深いことで知られる。ブレない情熱とその研究力でオフラインバトルをも手中に収めるか。他のカードを見てもiroziro vs uuN、Memory vs Lakuと、今回はどの試合もスタイルウォーズの様相を呈している。8強にこれだけバリエーション豊かなスピナー達が上がってくると言うこと自体、「日本のペン回し」の奥深さに違いない。その中でも最もスタイルにギャップのあるこの試合。まさにペン回し版、アントニオ猪木VSモハメド・アリ第二章と言えるだろう。こういった異種格闘技戦が現在の総合格闘技の始まりになったように、ここからまた新たなスタイルが、戦い方が、あるいはルールが生まれるのかもしれない。ペン回しによるバトル文化を紐解くと、その始まりは2007年のPenDolSaだ。彼らの正当後継者たる『Beat Red』が16年の時を超え、コリアンスタイル最強を体現するか。あるいはその文化をどこまでも進化させるべく、TUv4が未知の技術で凌駕するか。過去と未来の誇りにかけて、「 迷わず行けよ、行けばわかるさ」

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iroziro vs. uuN

1回大会で審査委員長を務め、スペシャルマッチではRiasonを下した〝暴君〟iroziroが今年は選手として参戦。あまりに堂々すぎる1位通過を決めた。ベーシックな心地よさ、切れ味を保ちつつ、その中で意表をついていく。まさに現代VPスタイルのお手本だ。ペンスピサイファーの王者がついに本戦の舞台へ。未だ誰もなし得ていない2冠を狙う。対するはペン回し歴わずか2年の怪童、uuNだ。GsaT杯優勝、PSTCT優勝、さらにはSpinFest2023出演と勢いに乗っている。パワー系と言えばかつてはpARuやMenowa*らが、疾走感のある構成の中に大技をバランス良く組み込んでいた。しかしuuNが明らかに彼らと異なるのは、FSの一部ではなく〝初めから終わりまで、全部がパワームーブ〟であるという点だ。ダイナミズムにステータスを全振りしたようなスタイルには清々しさがある。力ですべてをねじ伏せるか。VPスピナーとして知られるiroziroだが、意外にもペン回しを始めた頃はパワームーバーだった。たたみかけるような2軸スプレッドからはそのバックボーンが垣間見える。一方でuuNも大技ばかりかと思えば、hashやayaNoらのコピーにも取り組んでおり、彼らへのリスペクトがある。iroziroのソロビデオまで作成しているほどだ。一見、別競技に思えてしまうほど2人のスタイルは異なるが、同じペン回しとしてどこかで繋がっている。〝上手さ〟と〝凄さ〟は両極端ではなく、それらの重なる部分にこそ真の〝強さ〟があるのかもしれない。暴君と怪童はどちらが強いのか。動画の大会では決して導くことのできない答えが、全日本選手権で明らかになる。屍の山を築いてきた己の実力を。若さや勢いだけでは表しきれないポテンシャルを。勝ちたくば、信じ抜け。

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Kay vs. RPD

「それはペン回しか?」 2010年代前半。Kayの〝パフォーマンス〟にはそんな疑問が投げかけられていた。彼はその答えを、戦うことで導き出した。日本初のバトル大会、戦転独眼竜(2014年)、そして翌年の戦転GROOVE(2015年)で優勝を果たしたのだ。それは彼のスタイルが、スピナー達に認められたことの証明だった。あれから8年。今年、Kayは日本ペン回しパフォーマンスコンテストを発足させた。その系譜は今、1つの競技として新たな歴史を刻もうとしている。Kayにとって今更新たに証明するものはないかもしれない。それでも再びバトルの舞台に立つことを選んだのは、先駆者として、王者として。そしてプロとしての矜持が、掌の中で燃え続けていたからに違いない。王の帰還には、新たな王との対峙を。立ちはだかるのは、Penspinning Olympics二連覇王者、スペインのRPDだ。2020(multipen部門)、2022(XpXh部門)で優勝。片手で2本のペンを操る「2p1h」においては他の追随を許さない。2本のペンが同時かつ違和感なく移動していくFSは、世界に衝撃を与えた。現在は留学生として仙台に在住。モナチョ、ZUNDAをはじめとした仙台勢とは、技術交流もさることながら、今ではペン回しを越えた仲である。Fromスペイン、Rep仙台。海外勢特有のテクニックに、日本で培った経験と絆を掛け合わせれば、恐れるものなど何もない。ペン回しはネット発祥の文化だ。そこに国境はなく、4:3の画面は世界中に繋がるトンネルのようだった。8月20日、新宿。生まれは違っても、同じ趣味で育ってきた仲間達がそこで待っている。2人のホームグラウンドで戦おう。SPECIAL MATCH〝世界王者対抗戦〟Kay VS RPD
国、人種、スタイル。あらゆる壁を物ともせず、正々堂々戦える究極の趣味。「それがペン回しだ」

 

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Slofis/shadix vs. yua/KoVi

コリアン、大技、両手。ペン回しの系統分類は多岐にわたる。日本においてはVPスピナー、G3スピナーのように、ペンによってスタイルを想起させる表現も使われている。では〝KT系〟と言えば、あなたは誰を連想するか?Slofis&Shadix。この2人は間違いなく、その系統のオリジネーターだ。彼らは確かにスキルフルで、難易度や新規性の高い技を使用していた。しかし、本質はそこではない。これらをFSに詰め込むのではなく、構成や魅せ方にこだわり、直感的な〝かっこよさ〟として落とし込んだというところである。このスタイルは、KT使用者に限らず、その後多くのフォロワーを生み出した。さらに、Alcor Projectとして数多くの大会を企画。その中でもAlcor Spinning Cypherはスクラッチ入りのHIPHOPビートを使い、座った状態でバトルをするという、新たなムーブメントを作りあげた。Slofisは戦転独眼竜3位、Shadixは戦転GROOVEベスト8。かつてバトルを沸かせた2人が、スタイル、そしてサイファーのオリジネーターとしてステージに帰ってくる。この2人に相応しい相手は、昨年決勝大会に3人を送り込んだ現役最強チーム、MAWACにいた。yua&KoViである。共にJapEn18thに出演。ジャパモやフィンガークロス、サイドスピン等の多彩な武器を持ち、精細かつダイナミックに魅せるスタイルだ。双頭スピナーである以上、世代的にもSlofisとShadixの影響は大きく受けているはずだ。現役勢であるにも関わらず、今回のゲスト出演を引き受けたのは、憧れの先人達を越えられるチャンスだから。それに尽きるだろう。KoViはJEBフェスバトルで、yuaは夏の陣3on3で大いに沸かせた経験を持ち、心臓の強さも折り紙付き。yuaはJAPAN CUP2018でSlofisに破れており、今回はそのリベンジマッチでもある。激戦必至のAlcor VS MAWAC。ペン回しは言うなれば個人競技だが、オフラインでチーム戦となればまた趣が変わってくる。2on2という新たな形式は、シーンにどんな風を吹き込むのか。双頭スピナー達の歴史が紡がれる、

その戦いの先には何があるのか。未来は、4人の手の中だ。

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